2019年12月31日火曜日

2019年 ANAの重大インシデント・トラブル・不祥事など

2019年はANAグループにとってどのような年になるのでしょうか。
安全運航でお願いします。 2018年はこちら 2017年はこちら 

【重大インシデント・航空事故】
・2019年3月21日 成田空港でANAのB767がプッシュバック中に、後方のフェデックスのMD-11に接触した。

・2019年6月1日 ANA171(サンノゼ~成田)B787-8(JA828A)が空調系統不具合のため高度13,000m(4万3千フート)から3,000m(1万フィート)まで緊急降下をした。

・2019年8月15日 ANA963(羽田~北京)B787-8が北京空港に向けて降下中に乱気流に遭遇。乗客2名、客室乗務員2名が負傷した。後日、国土交通省より航空事故に認定された。

・2019年11月13日 ANA947(成田~成都)B767-300ERが成都空港に向けて降下中に乱気流に遭遇。乗客1名が負傷(左足甲骨折)した。後日、国土交通省より航空事故に認定された。

【運航・機材トラブル】
・2019年1月3日 ANAウイングスの40代のB737-800機長が乗務前にアルコールが検出されたため急遽機長が交代になった。このため乗務予定だったANA501(大阪~宮崎)を含め5便が遅延し、最大で104分の遅延あった。
機長は前日19時頃までホテルの部屋で飲酒したいた。と、虚偽の説明していたが
副操縦士に口裏を合わせを依頼し、制限時間を超過し飲食店で大量の飲酒をしていた。
一応、副操縦士は飲酒量・時間について忠告したようですが、機長は無視して飲み続けた。機長はANA本社からの出向中であったが、懲戒免職になった。
(ANAグループでは乗務12時間前以降の飲酒を制限していた。この事案を受け当面の間24時間制限になった。)

2019年2月1日 国土交通省は飲酒問題で厳重注意(2018年12月21日)を行い、2019年1月18日までに再発防止策の報告を求めている中で、再び飲酒事案が発生したANAウイングス(ANAの子会社)に事業改善勧告を出す。

・2019年1月17日 ANA985(羽田~大阪伊丹)B787-8(JA825A)が大阪空港着陸後、滑走路上で両エンジンが停止したため、滑走路上で立ち往生した。このためこの滑走路が約40分間閉鎖され1便欠航9便に最大1時間44分の遅延。JAL101便が関西空港にダイバート。

・2014年5月の「飲酒検査での替え玉」事案が発覚。

・2019年2月1日 エアージャパンの副操縦士が乗務前にアルコール検知(0.25ミリグラム)ANA813に乗務予定だったが、操縦士を交代して対応した。

・2019年2月19日 ANA421(神戸~羽田)B777-200の副操縦士から乗務前にアルコールが検出された(0.05ミリグラム)。操縦士の交代のため1時間40分遅延した。

・2019年3月15日 ANA821(羽田~香港)に乗務予定であったエアージャパンの操縦士からアルコール反応が検知され遅延が発生した。社内規定を超える飲酒があった。

・2019年4月14日 ANA1651(大阪伊丹~秋田)DHC8-Q400が飛行中にコックピットの窓ガラスにヒビが入った。中部セントレア空港にダイバートした。

・2019年4月18日 ANA645(羽田~熊本)B767-300が油圧系統の故障で着陸後滑走路上で約30分立ち往生した。滑走路が70分閉鎖され、欠航・遅延が発生した。

・2019年5月1日 ANA649(羽田~熊本)B767-300が飛行中に左側エンジンの振動が異常値が発生したため、中部セントレア空港にダイバートした。

・2019年6月1日 ANA308(那覇~中部セントレア)B767-300(JA605A)が出発準備中にAPU(補助動力装置)が破損し、部品が誘導路上に飛散した。この影響でこの便は結構し、当該誘導路が約40分閉鎖されたため、13便に最大49分の遅延を発生させた。

・2019年7月11日 ANA876(香港~中部セントレア)B737-700(JA03AN)が飛行中にNo1エンジンが停止したため、福岡空港に緊急着陸した。

・2019年7月17日 ANA30(大阪伊丹~羽田)B787-8(JA819A)が飛行中にNo2エンジンで不具合が発生したため、当該エンジンを停止させ、航空管制上の優先権を要求し羽田空港に着陸した。

・2019年9月26日 大阪伊丹空港で保安検査やり直し事案発生。32便が欠航、43便が遅延し、全国ニュースになった。また9月17日にカッターを見落とす保安検査ミスがあったことも後日判明した。

・2019年10月18日 ANA564(高知~羽田)A320(JA8997)が離陸後にギア(車輪)が格納できず、高知空港に引き返した。

・2019年11月7日 福岡空港でANA242便東京行きに乗務予定だった40代の機長から0.22ミリグラムのアルコールが検出された。社内規定(乗務12時間前までに制限)に抵触した飲酒(乗務9時間前までの飲酒)が確認され、この影響で4便が遅延した。
→この機長は懲戒解雇された。

【不祥事】
・2019年2月4日 全日空商事の40代部長が2,900万円を着服し、懲戒免職処分。

・2019年4月3日 システム障害により、4月のトクたびマイル中止

・2019年4月9日 国土交通省は飲酒問題でANAとエアージャパンに業務改善勧告を出した。

【懸案事項】
・一連の飲酒事案への対応、信頼低下。
・JALの猛追。
・MRJの納入延期の影響でB737-500の退役・機材更新が進まない。B737-500のトラブルが目立つ。はたしてMRJは2020年度に導入できるのでしょうか。
・B787のエンジン整備・改修のための欠航による信用低下とコスト増加。
・A380を3機買って5月からハワイ線に投入して利益が出るのか。
・ボーイング737MAXの導入は。
・結局スカイマークとの提携・コードシェアはどうなったのか。
・ANAホールディングスの連結子会社であるピーチとバニラの統合。
・国土交通省が検討している地域航空会社の合併・統合の動き(ANAウイングス、北海道エアシステム、天草エアライン、オリエンタルエアブリッジ、日本エアコミューター)

2019年8月31日土曜日

2019年 ANAサービスの変更点

2019年 ANAサービスの変更点をメモしておきます。(年表記がない場合は2019年のことです)。

【新規就航など】
・2月17日 羽田~ウィーン新規就航。B787-9
・5月24日 成田~ホノルルにA380就航。(7月1日からは毎日A380で運航)
・4月   B787-10を受領開始、アジア国際線へ投入
・夏    貨物機B777Fを2機調達して、中国や北米路線に投入
・9月1日   成田~パース新規就航。B787-8
・10月27日 成田〜インドのチェンナイ新規就航。B787-8、週3便(日、水、金)
・2020年3月 成田~ウラジオストクに新規就航。A320neo
・時期未定 東京~モスクワに新規就航予定

【上級会員・ラウンジ・機内サービス】
・機内安全ビデオが「歌舞伎」
・2月上旬 大阪空港のANAスイートラウンジ、ANAラウンジリニューアル
      福岡空港のANAスイートラウンジ、ANAラウンジ、プレミアムチェックインカウンターリニューアル
・2月中旬 国際線エコノミークラスの機内食がボリュームアップ。和食でもパンが食べられる。(中国・香港・台湾・韓国・マニラを除く)
・2月下旬 那覇空港のANAスイートラウンジリニューアル
・4月   日本発欧米国際線のエコとプレエコで有料機内食メニューを新設。価格は2,500円で和食と洋食が選べる。
・夏頃  ANA国内線の英語機内アナウンスが機械の自動音声になった?
・8月2日 新造機のB777-300ER(JA795A)にファースト・ビジネスの新シートを導入。羽田~ロンドン線に投入。2路線目はJFKの予定。
・8月19日~ 国際線エコノミーの事前座席指定を一部有料化。(予約クラス:V,W,S,L,K)
・9月3日  那覇空港のANAラウンジリニューアル(座席数90→170席へ)
・9月30日でプレミアムエコノミーへの無料アップグレード終了。(ダイヤモンド、プラチナ、SFCの皆様) ANAHP
・秋から 国内線のB772 8機、B788 11機に新シート(個人モニタ、電源付き)。プレミアムクラスの増席。B772は28席、B788も28席。2-3-2の4列?
・秋頃    大阪空港のプレミアムチェックインカウンターリニューアル
・10月1日~20年3月31日 ダイヤ、プラチナ、SFCにプレミアムエコノミーへアップグレード予約キャンペーン(予約クラス制限なし)
・20年4月1日からマイル・アップグレードポイントでPYへ(対象予約クラスはYBMUHQV)ANAHP
・フィリピン航空に9.5%(9500万米ドル)出資、コードシェア拡大や機内食で提携予定

【マイル】
・3月31日で「食べログネット予約でANAマイルが貯まる!」終了
・4月1日搭乗分からANA国際線特典航空券でプレミアムエコノミー利用可(予約は18年12月5日からスタート)
・4月1日からANAFESTAでのANAカード割引率が10%から5%に改悪。そのかわりに税抜き100円につき1マイル貯まる。
・「トクたびマイル」国内線片道特典航空券が3,000マイルから??
・5月24日~7月11日搭乗分、ホノルル線のA380に空席がある限り特典航空券がつかえる。(エコ、プレエコ)100人に1人全額マイルバックキャンペーン。ANAHP

【運賃】
・1月7日から出国税1,000円徴収(オンチケット方式)
・2月からサーチャージ上昇
・4月発券からサーチャージ値下げ
・6月発券からサーチャージ値上げ
・8月発券からサーチャージ値上げ
・10月発券からサーチャージ 

【その他】
・10月1日 キャンセル保険「そらもよう」を発売
・10月27日 羽田空港での国内線同士の乗り継ぎ時間(MCT)を25分から「35分」に変更する。
・10月27日 国内線全空港で保安検査締め切り時刻を20分前に変更(変更前は15分)

2019年4月2日火曜日

那覇空港の遅延や欠航のリスクと原因

今回は那覇空港の混雑問題について取り上げます。
旅行やマイル修行で那覇空港を利用される方は多いと思いまが、
最近はLCCを含めた新規就航・増便や訪日外国人の増加、
さらに軍事力を増す中国に対する航空自衛隊のホットスクランブル、海上自衛隊の対潜哨戒任務(密漁、中国潜水艦、北朝鮮船)の増加など、
すでに那覇空港はキャパシティ超え、定期便は遅れるのが当たり前の空港になっています。

那覇空港のおけるANAグループ間のMCT(最低乗継時間)は20分でしたが、恒常的な遅延により2018年7月14日からMCTが30分になります。
どうして空港が混雑し遅延が頻発するのか。理由はいくつもあります。

1、滑走路1本に対して航空交通量が多すぎ、単純にキャパシティオーバーしている。
・羽田、成田、福岡などにある発着枠制度が那覇には無いため、各航空会社が自由にダイヤを設定している。つまり利便性の良い時間に出発・到着が集中する。
 ①2012年の尖閣諸島国有化後の中国機へのスクランブルの増加。2018年以降、中国の爆撃機・戦闘機が沖縄本島~宮古島間の公海上を飛行することがあるため、1日10回以上スクランブル発進することがある。
 ②航空自衛隊第9航空団が新編され、那覇基地のF15の数が約2倍になった。飛行回数も2倍になるはず。
 ③国内LCCの相次ぐ就航(バニラ、ジェットスター、ピーチ)。特にピーチは那覇を拠点化している。
 ④国際線のレガシーキャリア・LCCを含め韓国、台湾、香港路線が好調。

2、駐機場(スポット、ゲート)が足りない
・着陸後、駐機場が空いていないため誘導路上で待機させられることがある。
・ボーディングブリッジ対応ゲートが多くないので、ジェット機でも沖止めにスポットを使うこともある。

3、平行誘導路が無い
・誘導路上にプッシュバックすると他の飛行機が通れない。(これは福岡空港も同じです。)

4、自衛隊(陸海空)が飛ぶ
・一般的に私達が利用する民間機より軍用機・公用機(自衛隊、海上保安庁、警察)が優先されるでしょう。スクランブル発進や急患輸送など国防や人命が最優先ですね。

5、滑走路18側にILSが設置されていない。
・理由は不明ですが、なぜか滑走路18側にILSが設置されていません。天気が悪いときはPARアプローチという昔ながらの方法がありますが、主に軍用機向けです。民間機はやっぱりILSがスタンダードなので、パイロットにとって那覇空港の着陸は難しいのかもしれません。悪天候(雨、台風、梅雨、霧)にダイバートが発生することもあります。

6、台風が来る スコールがある
・台風シーズン(6月~10月)が長く台風が来るとけっこう欠航します。台風接近が予想されたら情報収集と予約変更など早めの対応をしましょう。
最悪2、3日沖縄に缶詰になり、仕事や生活に影響します。当然ですが沖縄の宿代は自腹ですし、観光客が多いシーズンだと宿代が高くなったり、満室で宿泊できないケースも。
(台風時期のマイル修行は危険です。)

7、船が通る
これは沖縄の新聞で読んだのですが、那覇空港の北側に那覇港があり、大型船(クルース前や貨物船)が出入港する経路がちょうど滑走路18側の最終進入経路(ファイナルアプローチコース)の真下にあるそうです。大きい船が通過中は滑走路18に到着する飛行機は上空待機する必要があるそうです。近年沖縄は海外からのクルーズ船がたくさん来ているようなので、影響が大きくなっているようです。

以上が那覇空港が混雑する理由です。
昼間の那覇空港は遅延のリスクが他空港に比べて高いのでマイル修行等で乗継をされる方は注意してください。
混雑緩和に向けて2020年3月末に第2滑走路が完成する予定ですが、キャパシティが2倍になるわけではありません。
また、滑走路は2本になっても、駐機場(スポット、ゲート)は増えないので、どこまで増便できるかは未知数です。

ちなみに混雑しているのは飛行機だけではなく、
「レンタカーの送迎待ちで1時間待った。」
「2両編成のゆいレールが観光客と地元民で乗車率100%超。人多すぎて乗れないことも。」
「帰りの飛行機の時間までギリギリ観光しようと思ったら渋滞にハマって乗遅れ。」
「手荷物を預けるのに30分以上1時間も並んだ。」
「保安検査通過に20分以上も並んだ。」
「お土産屋、ドラッグストアで外国人旅行客が団体でTAXFREEの処理のためレジが大渋滞。店員が大変。」

などなど沖縄はここ最近で急増した観光客数に対応できずいたるところで「我慢して待つこと」が必要になっています。


これらは私の体験やネット上の情報をまとめたものです。
間違ったことがあれば教えてください。