2017年12月31日日曜日

2017年 ANAの重大インシデント・トラブル・不祥事など

2017年にあったANAグループの事案をまとめてみました。
2018年はこちら 

【重大インシデント・航空事故】
・2017年1月19日 ANA1831(秋田~新千歳)DHC-8-400(JA461A)が、新千歳B滑走路に着陸後、誘導路へ離脱する際オーバーラン(雪山に突っ込む)。乗員乗客25名に怪我人なし。
弊社機材が着陸後誘導路に停止したため、札幌千歳空港の滑走路を一部閉鎖していましたが、18時00分に滑走路の運用を再開しました。
今後も、遅延など運航への影響が発生する可能性がございます。(引用)
原因:機長による制動の開始が遅れたこと及び同機のパワーレバーがディスク位置にセットされず減速に必要な制動力を得られなかったことのため、同機が滑走路をオーバーランしたものと推定される。また、滑走路終端付近及び過走帯の積雪等の状態が悪かったことも、同機のオーバーランに関与したものと考えられる。(運輸安全委員会の報告書より)

【運航・機材トラブル】
・羽田→シドニーでの出来事。エコノミー席のイギリス人男性に特別機内食である「グルテンフレンドリーミール(GFML)」として「バナナ1本」を提供。ネット上で話題になる。しかし、このときは軽食(Snack)の時間で、他の乗客にはサンドイッチが提供されていたことを考えると、バナナ1本は妥当だと思いますが…(笑)

・2017年5月11日 福岡空港でブレーキ不具合が発生し約1時間滑走路閉鎖。

・2017年5月12日 ANA209が飛行中にエンジン油量が低下して、ロシアのブラーツク空港に臨時着陸。

・2017年6月1日 ANA770(那覇~大阪伊丹)B777-200(JA711A)が、飛行中に右エンジントラブル。那覇空港に緊急着陸。

・2017年7月16日 ANA464(那覇~羽田)B777-300(JA754A)が、飛行中に右エンジントラブル。那覇空港に緊急着陸。

・2017年8月3日 ANA1101(羽田~鳥取)A320(JA8300)が、岐阜県上空を飛行中にエンジントラブル。中部セントレア空港に緊急着陸。

・2017年8月12日 ANA37(羽田~大阪伊丹)B777-200(JA703A)が、相模湾上空で上昇中に客室の与圧が低下、緊急事態を宣言して羽田空港に着陸。酸素マスクも出たようです。
 *この事案はJAL123の33回忌と重なり大きく報道されました。

・2017年8月7日と8日 ANAのB767-300ER(JA621A)について、2日連続で同じ機体から同じ部品が脱落。

・2017年9月18日 ANA435(中部セントレア~福岡)B737-500(JA303K)が、飛行中に機内で異臭がしたため、中部空港に引き返し緊急着陸。エンジンの汚れがエアコンの空気に混入した疑い。

・2017年11月2日 ANA924(広州~羽田)B767-300ER(JA611A)が離陸直後に機内にモヤが発生し引き返し広州空港に緊急着陸。怪我人なし。

・2017年12月15日 ANA805(成田~バンコク) B787-8(JA832A)が 鹿児島県沖永良部上空で機内にモヤと異臭が発生し、航空管制上の優先権を要請。那覇空港に緊急着陸。外国人女性1名が体調不良で病院に搬送された。

・2017年12月24日 ANA471(羽田~那覇)B777-200(JA716A)が羽田空港離陸後、機材不具合が発生したため羽田空港に引き返し。機材変更に再就航。JA716Aは約4ヵ月も運用から外れていて、運用復帰初っ端での出来事でした。

・2017年12月26日 ANA175(ロサンゼルス~成田) ロサンゼルス離陸して4時間後、搭乗すべきでない乗客(ユナイテッド航空の乗客?)が機内にいたため、ロサンゼルスに引き返し大幅遅延。

【不祥事・コンプライアンス違反】
・50代の機長が操縦中にコックピットから私物のスマートフォンで写真撮影。データをインターネットで知り合った人に送った。国土交通省は行政指導を検討。

・ANAグループ男性社員が「使用済みの株主優待券」を持ち出し金券ショップに転売、不正に数億円を得ていた。内部調査で約2年前に発覚していたが、ANAは2017年12月24日まで公表せず。当該社員は懲戒解雇されたようです。この社員とANAの間で示談が成立しているらしい。

【懸案事項】
・トランプ大統領就任によってアメリカ・メキシコの関係悪化が予想される中でのメキシコシティへの就航。2017年2月15日から成田-メキシコシティ毎日就航。(B788の169席タイプ)

・テロや治安悪化による欧州路線の今後はどうなるの?(特にパリとブリュッセル)

・MRJの納入延期。果たして東京オリンピックまでに就航できるのか?(2008年に25機発注しました。)
B737-500の退役を延期するのか?Q400やB737-800を追加導入するのか?
(4月7日追記) ANAはMRJの納入延期による代替機としてB737-800を4機リースするようです。

・MRJの納入延期の影響でB737-500の退役が進まない。

・A380を3機買ってどうするのか?ハワイ線に投入するらしいけど・・・。

・スカイマークとの提携・コードシェアはどうなったのか。

・4月1日からライバルのJALが復活。競争が激化しそう。JALは国内線の機内Wi-Fi無料にしたのにANAは・・・。

・ユナイテッド航空の乗客引きずり下ろし炎上事案。ANAとユナイテッド航空の共同事業に影響はあるのかな。

2017年4月20日木曜日

遅延理由の「航空管制指示のため出発が遅れました。」とは何か

最近の遅延理由で多い「航空管制指示のため出発が遅れました。」とは何か?

発着案内では…
「出発遅れ。航空管制指示のため出発が遅れました。遅れます。」
「出発遅延。管制の指示のため出発に遅延が生じています。」
機内アナウンスでは…
「当機は出発の準備を全て整えておりますが、航空管制からの指示で出発が遅れております。当機の出発(離陸)は○時○○分の予定です。(以下省略)」

国土交通省航空局のHP/資料などを参考に簡単にまとめてみました。

このように航空管制から出発時刻が指定されることを「航空交通流制御(Flow Control)」と言います。
交通流制御対象機には航空管制官から出発制御時刻/EDCT(Expected Departure Clearance Time)が指定されます。

EDCTが指定されると、離陸できるのは原則EDCT以降になります。
EDCTは状況に応じ適宜変更・解除されることもあるそうです。
EDCTの指定など日本国内における航空交通量制御は福岡市にある国土交通省の航空交通管理センター(ATMセンター)で行われています。

この交通流制御の目的は、適切な交通流を維持し安全性と効率を確保することです。
なぜ、交通流制御が実施されるのか。主な理由は3つあると考えられます。
1、特定の空港・空域に航空機が集中することが予想される場合。(空の渋滞)
2、特定の空港・空域が悪天候・トラブルで通常よりも処理能力が低下する場合。
3、事故、テロ、機材トラブル、停電、地震などの自然災害で空港・滑走路が閉鎖された場合。

離陸させずに地上待機させることで、次のメリットがあると思います。
・混雑による上空待機や迂回を減らし地上で待機させることで、航空会社の消費燃料を削減する。(環境にも良い)
・航空管制官のワークロードを軽減させ、安全で効率的な航空交通を確保する。

どうせ待機するなら地上で待機した方が燃料消費が抑えられて環境に優しいですね。
それに定刻に出発できたけど空域が混雑していて空中待機している間に燃料が少なくなってダイバート(目的地変更)や緊急着陸するくならいなら、多少遅れても無事に目的地に到着するほうが良いですね。

最後に交通量制御の影響で遅延が発生したらどうなるかとういうと、
このような遅延は航空会社の責任ではないため、遅延に係る航空券の取り扱いは悪天候のそれに準じるそうです。
日頃から旅程には余裕も持ち、航空管制指示が遅延理由であれば、
航空会社やグランドスタッフにあまりクレームを入れないよにしたいですね。

(追記)JALサイトにわかりやすいコラムがありました。
 https://tabi.jal.co.jp/tabicolumn/2014/08/post-657.html (空の渋滞)

例:羽田空港悪天候時の那覇~羽田の交通流制御の結果

2017年1月28日土曜日

2017年のANAサービスの変更点

国際線の燃料サーチャージ(日本発券のみ)復活 2017年2月1日から。4月1日からは2倍に値上げ!

国際線のANA MY CHOICEのサービス終了 2017年4月12日から
 ・羽田、成田の「有料ラウンジサービス」 …ANA国際線利用者なら誰でも5,150円支払えばANAラウンジ(羽田・成田)が利用できました。最近はSFC会員の増加やテレビ番組での紹介などもあり、ANAラウンジが混雑気味なので朗報です。国内線のマイチョイスサービスは継続されるようです。
(4月5日追記)有料ラウンジサービスは予約クラス・利用時間帯を制限して継続されるようです。

 ・成田の「ANAマイカー・バレーサービス」…ここ数年で国際線の多くが成田から羽田に移管されているので成田空港利用者が減っているのでしょうか。

国際線のKeep My Fareサービスが開始
 ・予約後1,000円で支払猶予が72時間になるようです。…こんなケチな商売しないでほしいですね。昔のように予約後は支払期限が2~3日後に戻して欲しいよ。予約と同時に決済しないといけないって改悪だよ。この実際に購入すればこの1,000円が代金に充当されれば良いけど、そんなこと無いようですね。

国内線のタイムセールの運賃が変更
 「旅割75タイムセール」から「旅割X」になりマイル積算率が75%→50%に改悪されました。

2017年10月29日からロサンゼルス便増(B77W)になり、成田シンガポール線(ANA801/ANA802)からファーストクラスが消える。

2017年10月29日からの国内線サービス変更点
・プレミアムクラスの食事を弁当箱から器での提供へ (羽田⇔伊丹・新千歳・福岡・那覇のみ)
・プレミアムクラスの昼食時間を10時30分~13時29分出発便に拡大(以前は11時00分~13時00分
・ANA MY CHOICEが終了。プレミアムクラスの食事も販売終了。

2018年10月1日から、国際線航空券で発券されている日本国内線の積算率がブッキングクラスにより積算率が変わります。安い運賃だと改悪です。SFC/DAI修行される方には打撃でしょうね。
https://www.ana.co.jp/amc/reference/tameru/flightmile/dom/integration_rate.html

・2017年12月1日より、手荷物お預かりの締切時刻を設定いたします。
出発時刻の20分前までに手荷物をお預けください!!!

2017年1月15日日曜日

2016年 ANAのトラブル・重大インシデントまとめ

【懸案事項】
・スカイマークへの支援
コードシェア、予約システムの統合については未定。

・A380を3機購入 パイロット育成、整備コスト
観光路線の成田~ホノルルに2019年春就航予定らしいですが採算取れるのでしょうか…?

・ブリュッセル、パリ路線(テロによる影響による旅客の減少?)

・ベトナム航空への出資

・中国、香港、台湾からの渡航者減少(爆買バブル終了?)

・MRJの開発遅れ、納期延長。2020年のオリンピックに間に合うのか・・・?

・2017年2月からメキシコシティへ新規就航するが、トランプ政権の対メキシコ政策の影響は…?

【トラブル】
・2016年3月22日 国内線システム障害。欠航、遅延多数。

・2016年8月12日 羽田空港での荷物置き去り事件。
・2016年8月14日 成田空港でB787(JA840A)がエンジントラブル。滑走路閉鎖。
・2016年8月20日 ANA609便(羽田発宮崎行)B787(JA825A)、エンジントラブルで離陸直後に引き返し。
・2016年8月25日 ANA241便(羽田発福岡行)B789(JA833A)、エンジントラブルで羽田に引き返し。
★B787のロールスロイス製エンジンのトラブル連発を受けて、エンジン交換整備による欠航発生。

・2016年8月28日 ANA843(羽田発シンガポール)B787(JA874A)、飛行中操縦席窓にヒビ。那覇空港にダイバート。

・2016年8月30日 ANA829便(成田発ムンバイ行)B787(JA814A)、エンジントラブルで成田に引き返し。

・2016年9月25日 ANA823便(成田発台北行) B763 左側エンジントラブルで成田空港に引き返し。

・2016年9月30日 福岡発の国内線で定員オーバーのまま運航開始という前代未聞の失態。国土交通省から厳重注意処分

・2016年11月10日 東京羽田空港の手荷物搬送システムに不具合が発生。東京羽田空港を発着する便の遅延、一部の手荷物を搭乗便に搭載できないトラブルが発生。

・2016年12月31日 ANA204便(フランクフルト発羽田行)B773、エンジントラブルでクラスノヤルスク/ロシア空港にダイバート。

【重大インシデント・事故】
・2016年5月27日 B737-800 JA85AN(東北フラワージェット)の与圧不具合重大インシデント(以下引用)
 



【お詫び】2016年5月27日のANA561便の運航について
2016年5月27日(金)8時40分ごろ、ANA561便(羽田発 高知行)は、三浦半島上空を通過中、客室内与圧システムに不具合が発生したため、羽田空港に引き返しました。当該便をご利用頂いたお客様をはじめ、関係者の皆様に対し、多大なるご心配ならびにご迷惑をお掛け致しましたことを、あらためまして深くお詫び申し上げます。

なお、当事象は、5月31日(火)16時00分、国土交通省より重大インシデントと認定されました。弊社では今後、国土交通省運輸安全委員会による原因究明に全面的に協力してまいります。また、原因が判明次第、弊社ホームページなどにてお知らせ致します。


2017年1月1日日曜日

最近のANAの改悪・サービスダウン・コストカット

<国内線>
・旅割が空席待ち不可になりました。(2016年冬ダイヤから)
 ちなみにプレミアム旅割28は空席待ちが可能です。

・予約後、支払期限が2日間に短縮されました。(2016年冬ダイヤから)

・株主優待割引運賃について便によっては座席制限される場合があります。

・プレミアムクラスへの当日アップグレード料金値上げ。9,000円になった。(JALは8,000円)
 シャンパンからスパークリングワインにグレードダウン。(JALはシャンパン)
 ANAは普通のお弁当。(JALは食事を食器で提供)

・2015年12月に期間限定で国内線プレミアムクラスで「シャンパン」が提供されていたが、
2016年12月にはそのようなサービスは行われなかった。

・2016年のタイムセールの運賃は旅割75でしたが、2017年からはマイルが50%しか積算されない旅割Xになりました。

<国際線>
・特典航空券の有効期限が、旅行開始から1年間ではなく「発券から1年間」に。

・予約システム刷新後、予約と同時に購入しなければならなくなった。

・B787、B789のエコノミーのシートが。2-4-2から3-3-3の詰め込み仕様になった。

・B787のプレミアムエコノミーが3列(21席)から2列(14席)へ減少したB789の導入。(2016年から)

・B789のスタッガードシートが改悪。詰め込み仕様で個室感じ薄れた。個人的にはスタッガードに乗るならB773かB788がオススメ。

・ビジネスクラスのウェルカムドリンクが「プラスティックのコップ」で提供される。中身はただのスパークリングワインです。グラスでシャンパンぐらい提供しないとケチだと思われちゃうよね・・・。

<その他>
・テーマに投稿してスカイコインGET!の付与ポイントが最近減った。以前は25コインだったのが、5、10コインに改悪されています。

2017年はどのような改悪が待っているのでしょうか( ^ω^)・・・