2014年5月1日木曜日

ピーチ機の海面異常接近について

2014年4月28日午前11時47分頃、
ピーチ・アビエーションのAPJ252(A320-200、JA802P)(新石垣空港(ROIG)→那覇空港(ROAH))が、
那覇空港のRunway18へ最終進入中に、海面に異常接近して対地接近警報装置(GPWS)が作動したため、
緊急回避操作・進入復行を行い、約20分後の12時10分に着陸した事案が発生した。
乗務員6名、乗客53名の計59名は無事であった。
国土交通省 航空局 安全部 航空事業安全室は今回の事案を航空法施行規則第166条の4第5号
「飛行中において地表面又は水面への衝突又は接触を回避するため航空機乗組員が緊急の操作を行った事態」でったたとして、
「重大インシデント」と認定した。


一部の報道で、
「パイロットは航空管制官の指示を復唱(リードバック)することになっている」と誤解を招くような表現されているが、
今回のような着陸誘導管制(CGA=Ground Controlled Approach)では、管制官が精測進入レーダー(PAR=Precision Approach Radar)を使用し進入経路・高度に対する指示を連続的に一方送信するため、
その指示に対してパイロットが復唱することはない。

・精測レーダー進入をする際に、航空機がグライドパスに接近する際には、管制官から次の用語が発出され、降下開始の予告がされる。
■Approaching Glidepath.(グライドパスに接近中)

・航空機が最終降下開始地点に到達した際には、管制官から次の用語により、降下を開始する用ん指示される。
■Begin Descent.(降下を開始しなさい)

個人的考察…Begin Descentと指示された際に、パイロットの知識不足等(CGAに不慣れ)の理由で決心高度の約400フィート付近(約100m)までいきなり降下してしまったのではないのかなと思っています。

ピーチ機のコックピットボイスレコーダー(CVR)とフライトデータレコーダー(FDR)の記録は残念ながら残っていたいらしいが、
管制機関には交信記録と航跡等のレーダー記録が残っているはずなので、
どのタイミングでピーチ機が異常降下開始したのか、管制官とパイロットの間でどのような交信がなされていたのかが分かるはずだ。
しばらく事故調査の行方を見守りたい。

*国土交通省航空局管轄の空港でGCAを実施している空港は現在那覇空港だけである。
自衛隊管轄空港では比較的多くの空港でGCAが実施されている。

【2016年7月25日追記】
「機長が着陸の手順の確認に気をとられて意図せずに高度を下げる操作を行ったとみられる」との報道がされる。近く報告書が公表される見込み。

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